のんびり日曜日

気がかりはひろくんのことがあるが、朝から落ち着いた気持ちで時間を過ごしている。起きたのは8時ちょっと前であったが、6時頃から目覚ましのラジオを聴きながら、音楽や英語とか、でうとうとしていた。
ゆうべ少しと、先ほど午後から、読書をした。ひろくんが買ってきたもの。ちょっと変わったあやしい本。「七つの怖い扉」。ひろくんには国語の教科書の中からいい話を読むといいよ、と、教科書を見て、「走れメロス」がこの後で授業に出てくるようなので、それを先に読むように勧めた。勧めたというより押し付けた。そして次に、先日自分が読んだ「フランダースの犬」を読むように押し付けた。そして自分は、ひろくんの買ってきた本を先に読むことにした。先ほど、全部読み終えた。ちょっと気分が変である。みんなおかしな話ばかりだし。


「七つの怖い扉」(新潮文庫)\400.
・迷路 阿刀田高
・布団部屋 宮部みゆき
・母の死んだ家 高橋克彦
・夕がすみ 乃南アサ
・空に浮かぶ棺 鈴木光司
・安義橋の鬼、人を噉(く)らふ語(こと) 夢枕獏
・康平の背中 小池真理子


この作品は、女優の白石加代子氏による語り下ろし公演「百物語」の新作「七つの怖い扉」のためにそれぞれ書き下ろされたもので、平成十年十月に新潮社より単行本として刊行されました。なお、その後、阿刀田高氏「迷路」は新潮社刊『花あらし』に、宮部みゆき氏「布団部屋」は角川書店刊「あやし〜怪〜」に、鈴木光司氏「空に浮かぶ棺」は角川ホラー文庫『バースデイ』に収録されました。


阿刀田高(あとうだ たかし)
1935年東京生れ。78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。
翌年『ナポレオン狂』で直木賞を受賞。洗練されたブラックユーモアと奇妙な味わいを特徴とする短編小説の名手。著書に『恐怖同名』『花あらし』など。ギリシア神話シェイクスピアなど、古典をわかりやすく読みとくシリーズエッセイでも人気を博す。


宮部みゆき(みやべ みゆき)
1960年東京生れ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞しデビュー。93年「火車」で山本周五郎賞、99年「理由」で直木賞を受賞。人生への深く、たしかなまなざしに支えられた作品により多くの読者の指示を得る。著書に『龍は眠る』『本所深川ふしぎ草子』『蒲生邸事件』『模倣犯』など。


高橋克彦(たかはし かつひこ)
1947年盛岡市生れ。浮世絵研究者を経て『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。92年『緋い記憶』で直木賞を受賞。伝奇小説、SF、ホラーなど幅広いジャンルにわたり活躍。NHK大河ドラマ炎立つ』『北條時宗』の原作も手がけた。著書に『北斎殺人事件』『広重殺人事件』『舫(もやい)鬼九郎』シリーズなど。


乃南アサ(のなみ あさ)
1960年東京生れ。88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作を受賞しデビュー。96年『凍える牙』で直木賞を受賞。日常にしっかりと行脚した人物造型、巧みな心理描写に定評がある。著書に『鬼哭』『風紋』『ボクの町』ほか、『凍える牙』の主人公・音道貴子が活躍するシリーズ最新作『未練』など。


鈴木光司(すずき こうじ)
1957年浜松市生れ。90年『楽園』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。91年に刊行された『リング』が読者の圧倒的な支持を受け、続編『らせん』で吉川英治文学新人賞を受賞。著書に三部作を結ぶ『バースデイ』のほか、『シーズ ザ デイ』『エール』など。


夢枕獏(ゆめまくら ばく)
1951年神奈川県生れ。77年「カエルの死」でデビュー。84年に刊行された『魔獣狩り』とそのシリーズにより、伝奇小説の新たな地平を開拓する。89年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。「餓狼伝」「キマイラ」、映画化された「陰陽師」など人気シリーズ多数。


小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京生れ。エッセイストを経て、85年『第三水曜日の情事』で小説家としてデビュー。89年に「妻の女友達」で日本推理作家協会賞、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞を受賞。細部を丹念に積み重ねた艶やかな作品で読者を魅了する。著書に『月狂ひ』『薔薇いろのメランコリヤ』など。